地域未利用資源を活用した家畜粗飼料の開発サービスを開始

株式会社リバネス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長COO:髙橋 修一郎)は、地域の未利用資源を活用した家畜粗飼料を開発するサービスを開始しました。本サービスを通して、弊社のみならず、大企業、畜産農家、地域企業の皆様と共に、地域自立型の飼料供給システムの研究開発を促進し、循環型畜産モデルの実現を目指します。

 

背景

 畜産農家にとって肥育牛1頭あたりの粗飼料コストは全体コストの約4割を占めており、重要な課題の一つです。一方で、地域の未利用資源を飼料として活用することができれば、粗飼料のコストを削減すると共に、未利用な資源の活用を促進することができます。そのためには、従来の粗飼料の代替飼料として活用するために、栄養成分を明らかとし、栄養設計に基づいた給餌方法の構築が必要となります。

 

 リバネスでは、自社事業として2003年の沖縄県におけるシークワーサー、アセロラの飼料開発にとりくみ自社ブランド豚として福幸豚事業を展開してまいりました。また、パートナー企業とともに、パインアップル、泡盛蒸留粕(※1)、パパイヤなどの飼料化にも取り組んでまいりました。2019年からは竹の有効性検証を始めた(※2)他、2020年9月には島根県益田市に畜産研究を促進するための益田実証ファームを開所し、現在、代謝インプリンティングやICTなどの技術実証試験や地域未利用の飼料化に取組みながら、循環型畜産モデルの実現を目指しています(※3)。この度のサービスは、これまでに培った自社の飼料化のノウハウおよび実証ファームをもつ強みを活かし、さらなる循環型畜産モデルを拡大を目指し、研究開発・実証パートナーを募集するものになります。

 

本サービスの企画概要

 

 本サービスは地域の未利用資源を活用した家畜粗飼料の開発を目的として、未利用資源の発酵粗飼料(以下、サイレージ)化の検討、サイレージの嗜好性の検討、栄養分析による給餌方法の設計の一連の実験を行います。

 

STEP1 地域未利用資源のサイレージ化の検討@アグリガレージ研究所(東京都)

地域の未利用資源を牛の粗飼料として活用するためのサイレージ製造実験を行います。ラボレベルでプラスチックフィルムを用いたパウチ法(※1)によりサイレージを作成し、pHおよび有機酸を指標として、サイレージの評価を行います。(所要期間)約1.5カ月

 

STEP2 サイレージの嗜好性の検討@益田実証ファーム(島根県)

弊社所有の益田実証ファームにて作成したサイレージの嗜好性を検討します。肥育牛を用いたカフェテリア法による嗜好性試験を行い、サイレージの嗜好性の評価を行います。(所要期間)約0.5カ月

 

STEP3 サイレージの栄養分析および給餌方法の設計

作成したサイレージの栄養分析を行い、給餌方法の設計を行います。(所要期間)約1カ月

 

【サービスの流れ】

【金額】400万円(税抜)~ 

※1種類の未利用資源を対象とする

※有機酸測定、栄養分析費用を含む 

 

 上記の3つの検討を通じて、地域の未利用資源が牛の粗飼料として活用できるかの最初の検討を行うことが可能です。本実験でその可能性を見出すことができれば、農場レベルでの検証を行い、実際の活用を進めることができます。

 

 身近な地域の未利用資源を畜産飼料として活用することは、輸入飼料という外部要因に頼る畜産業界の状況を打破し、各地域での産業としての自立を実現する一歩目となります。この取り組みを通じて、畜産業が持続可能な産業となり、世界の人々の食の安定供給が実現される世界を実現してまいります。

 

関連リリース

※1 泡盛粕で飼料開発 豚の肉質向上に挑む(2014年7月 沖縄タイムス社)

※2 アーステクニカ、リバネスと竹パウダーの有効性検証に関する協同実証実験を開始(2019年6月 日本経済新聞)

※3 リバネス、島根県益田市に畜産研究の実証ファームを開所。第1弾として耕作放棄地での肉牛飼育の研究開発を開始(2020年9月 リバネスコーポレートサイト)

 

お問い合わせ

株式会社リバネス 農林水産研究センター(担当:福田、尹(ゆん)、宮内)

E-mail:[email protected] TEL:03-5227-4198